人は、天の時、地の利、人の和がないと成功しない。
そう聞いたのは大学生の時につるんでいた先輩からだった。
20代になってすぐのころ、何でもいいから社長になりたいと思っていた。
なぜ社長を目指したのかもわからない。
ただただ、社長は偉いとか、社長は人格が優れているとか。先見の目があるとか、そう思っていたような気がする。
それから月日がたち、立派とは言えないが、地元である程度のサラリーマンになっていた。
年齢も40になり結局自分は社長にはなれずに終わるのかと思っていたころ、付き合いのあった社長から個人としての仕事の依頼が来た。長ければ2年~3年は食べていける。今なら少ないが起業のための資金もある。
この業界に入ってから18年になるのである程度のノウハウも知っている。地元でも少しは顔も利くようになっていた。
天地人が揃ったら独立しようと思ってはいたが、とうとう天地人が揃った。というか揃ってしまった。
それはちょうど前厄の終わり、コロナが流行する少し前。肌寒い11月。出張から帰宅途中のスーツ姿の自分は、高速道路のSAエリアでタバコをふかしながら天を仰ぎ、この機会を逃したら起業はおろか、「一生後悔する人生を歩むことになる」と思い、退社をして独立することを決めた。
天の時、地の利、人の和
2020年の冬の話である。

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